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後継者育成の必要項目の事前整理と言語化

中小企業の後継者育成の現在地としては、うまくいっていない、進んでいないという会社が圧倒的に多いわけです。理由は、シンプルです。
経営者のコミットメントが足りないことが原因です。


〇後継者がいない、うちの業界は特殊は経営者が逃げている

後継者はいますか?後継者育成は進んでいますか?などの質問に対して、後継者がいない、後継者はいるけどできるか心配、うちは特殊な業界で人がなかなか入ってこないし教えることが難しいなどと言われる経営者が多くいますが、本当にあらゆる努力をし尽くしての結果なら仕方ありませんが、多くの場合にはほとんど何もしないで、他責、諦め先行でこのように言っていることが実態です。


〇後継者育成をしようと思った場合、事前整理が欠かせません。

事前整理としては、
・後継者には何を教えなければならないのか
・誰に教えるのか→誰を後継者にするのか
・どのように教えるのか

を整理していくことが必要です。

・後継者に何を教えるのか?

事業承継の目的である、単に会社、事業を引き継いで終わりでなく、後継者がより会社、事業を成長させていくこと、その目的を実現するために、貴方は真剣に後継者に対して、何を教えたらよいのか考えてみたことはありますか?多くの事業承継を考えている経営者は真剣に考えたことはないと思います。

考えてみると、知識、リーダーシップ、行動力、判断力、洞察力など色々なことが出てくるでしょう。記載のないもの含めたくさんの教えたいことがあると思います。不正解はなくどれも正しいとも思います。

ただ時間、できることなどはもちろん有限ですので、この中で大切なことは、経営者になってからでないと実際はなかなか身につかないことがたくさんあるということを経営者、後継者ともに理解しておくことです。

リーダーシップ、行動力、判断力、洞察力などはまさに実際に経営者になってからでないとより実際に、リアリティある形で試され、身に着くことはないです。

もちろん事前に養うことも大小できますが、実際は経営者として責任を負ってより身についてくるものです。そのため、まずは知識面において必要な知識を最大整理をして後継者が身につくようにしていくわけです。


・誰に教えるのか、誰を後継者にするのか

経営者の中で後継者が既に決まっていて、かつ、後継者としてもやりたいという状況があれば何ら問題ありません。ただ、現在とても多くなっているのが、後継者の可能性として子供はいるものの、経営者として子供に本当に承継してやってほしいのかまだ分からない、子供も後継者として経営をやりたいのか分からないという状態です。家業と言われたような子供が事業を引き継ぐことが当たり前の時代では、全くなくなったのが現在です。

後継者候補については、親族、従業員、第3者の3つの選択肢になりますが、経営者としては、できる限り多くの選択肢の中でどうするべきかを考えるべきです。


・どのように教えるのか

教え方というのはとても大切です。これは事業承継に限らず、業務そのものを新人に教えることと同じで教え方を間違えてしまうと、経営者、後継者ともにうまくいかない結果になりがちな部分です。教え方を感覚、感情に任せてしまうと、とても非建設的で、PDCAを回すことができず失敗してしまうためとても大切なポイントです。

よくある失敗として、経営者が教えることについて、言語化、具体化ができておらず、解像度の低い状態で教えることがあります。

分かりやすくいえば、背中を見ていたら勝手にできるようになるというやつです。経営者としても教えてもらったということがないとなおのこと、このような状況になりがちです。

 
次に大前提として、人によって知っていることには大きな差があることを理解するべきです。小学校1年生に、中学校で習うことを言っても理解はできないでしょう。それは小学校1年生が悪いわけではないですよね。このような差をしっかりと理解をして教えることを考えるべきです。言葉1つとっても人によってニュアンスはまるで違うことがあります。

相手方が理解でき、伝わる言葉で教えることをしないといけません。


この教えるということが、一方的に伝えたいことを伝えるだけで、相手が理解をできていないで終わっている、理解をして、できるようになるまでが教えるということをわかっていない経営者が多くいますので注意が必要になるのです。

Tags: 事業承継
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