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会社を買った先の社員のやる気やコミュニケーションに注意


スモールM&Aで承継型起業を考えている人が、大手企業など出身の場合や、中小企業の実態をあまりわかっていない人の場合だと、会社を買った後の中小企業の実態で悪いズレが起きてしまいますので、ここでは中小企業の実態の中で、社員のやる気やコミュニケーションということを分かりやすくご説明します。

大企業と中小企業で働いている人はやはり考え方、仕事のクオリティ、向上心などにおいてやはり差があります。良い大学を卒業して皆が憧れるような大企業に入社をして入社後も自己研鑽を欠かさずに自らやり続けるような人というのは大企業の中でもそもそも少数かもしれませんが、仕事におけるベースの基準があらゆる意味で高いのが大企業だと思ったほうがいいです。そのため話すこと1つとってもコミュニケーションがとてもスムーズだったりします。中小企業にももちろん優秀な人はいますが、確率論でいえば大企業にはやはり勝てません。そのため優秀な社員を想定して会社を買ってみて、いざ社員とコミュニケーションを取るのようなことがあるとギャップが生じてしまうと思います。

社員は皆やる気があるわけではない
中小企業の社員の場合には、大企業の社員以上にやる気はもしかしたらないかもしれません。理由はいくつかありますが、頑張っても社員の給与がなかなか上がらないのが中小企業だったりしますし、頑張るというような環境がなかなか会社としてつくることができていないこと、頑張ったことが評価されるようなこともないことがあります。

そもそも現状に満足をしてしまっていて、むしろ仕事は今以上にしたくないということで改善をしようとしない人も多くいます。スモールM&A、承継系型起業で会社を買って経営しようという人はやる気に満ちているわけですが、買った会社の先の社員が、皆、やる気に満ちているなんてことはまずないと思ったほうがよいです。

仕事の成功体験を積み上げていくこと
社員をやる気にさせていくためには頑張ったことに対して評価をしていく仕組みに変えていくことが欠かせません。合わせて、仕事の中で新しい成功体験を小さくても良いので積ませることにつきると思っています。人は自分がやってみたことに対して、成果が出たらやはり嬉しいもので、引き続き成果を出そう、よりよい成果を出そうとやる気が出るわけで、そのキッカケを会社としてうまく作ってあげるわけです。

会社を買ったばかりで、関係性がないのに、合理的に仕事依頼をしても失敗する
大企業でももちろんそうですが、仕事と言うのは人がするものであります。そのため信頼関係など最低限の関係性をつくることができていない状態では、正しい仕事をお願いしてもなかなか社員は引き受けてくれません。会社を買って経営者になったのでと、気合いを入れて一気に仕事を前に進めようと経営者は思っていても、経営者のやる気と社員のやる気は違うこと、経営者の正しい仕事の依頼であって、仕事なので社員はやるべきなのですが、合理的に簡単にその通り動くこともないということ、これが経営の難しさだと肝に銘じていただけるとよいなと思います。

Tags: 事業承継
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