
経営者も人間のため自分と同じような価値観、考え方、自分のことを慕ってくれる人を重宝しがちです。それは一定は仕方のないことです。ただ、事業承継においては、経営者と後継者の2人の話だけ見てしまうとよくありません。
例えば、本来は会社にとって改革、イノベーションが必要だということがわかっているものの自分の代ではできなかったと思っている経営者がいて、後継者が保守的になってしまっている自分に似た人を据えたらどうでしょうか?これからの時代を乗り越えるために変化が重要な局面にも関わらず変化を恐れるような人が後継者になったらいかがでしょうか?
事業承継の正体、ゴールの設定を間違えてしまうと事業承継をキッカケにして会社の状態は悪くなっていってしまいます。
経営者は自分で創った会社だったり、引き継いだ場合でも自分の子供のように人生をかけてきた会社です。色々な想いがあるのは当たり前で、それを後継者に引き継いだり、大切にしてほしいと思うのは当たり前です。
ただ、少し俯瞰をしてみると、事業承継というのは、経営者から後継者へのバトンリレーで、遅かれ早かれ、経営者は会社から去らないといけなくなります。そのことと、事業承継は、キッカケとして中長期で会社成長の機会にするべきで、中長期の会社の成長をつくるのは、後継者はじめ、会社に残された社員たちの仕事になります。
そのように考えると、事業承継後に残された社員の目線も考えて、経営者、後継者はどうあるべきか、どのようなことが必要かを考えることも必要になります。
経営者は自分の目線だけでなく、残された社員の目線も意識をして事業承継、後継者がやりやすいように、社員とのコミュニケーションも大切にして、皆の納得を引き出していき、一枚岩となって会社の中長期成長を実現できるように調整をしていくことが欠かせないのです。