
事業承継は経営者が、後継者を育てて、自らが去ったとしても維持、成長できる会社となるようにしていく最後の大きな仕事になります。
後継者がしっかりと、経営者が現在やっている仕事をできるようにしていくことはもちろんですし、現在にはない、今後の時代の変化などにも対応できるような能力、準備なども必要になってきます。
経営者である貴方は、現在、貴方がやっている仕事は何ですか?と問われた際に、仕事を言語化、具体化して言えるでしょうか?
このように聞くと経営者からは様々な答えが出てきます。
特に何もしていないと適当に答える経営者や、朝から晩まで忙しく働いていると、やっていることを具体的に説明できない経営者が多くいます。
経営者の仕事は、経営者固有の仕事と一般的な業務に関して経営者がやってしまっている仕事に分けることができます。
後者はどんどん社員に任せていき経営者から離していく必要があります。後継者はもちろん業務に関する仕事も場合によっては覚えたり、できるようにならないといけませんが、より重要になる仕事はやはり経営者固有の仕事になります。
経営者固有の仕事は、突き詰めると、会社の将来などに対して重要なことについて考えて、決定すること、その責任を負うことになります。
誰でも決定が簡単なことであれば、社員、現場で決めることができますが、経営者は会社の今後の方向性や、新規事業をする、しない、する場合には何をするのか、どのくらいお金をかけるのか、様々なことを時代に合わせて考えて、決定をしていかないといけません。
多くの会社が人口減少社会になっている中で、人口増の時代につくられた会社、事業の考え方から抜け出せずに業績的に厳しい状況であったりします。このような変えていくことが必須の会社を継ぐ後継者がたくさんいるわけです。
経営者は大小、会社の将来を左右することを考えて、決定することが本当にしばしばあります。
頭がちぎれるくらい考え抜いて、決めて、やってみてということを良い経営者はやってきています。その中で成功、失敗もあり、会社、事業がうまくいかずに絶望的な時があった経営者も多くいると思います。しかし逃げることはできず、何とかして、その窮地から抜け出して生き抜いてきているのが経営者であり会社だったりします。その経験全てが経営者を経営者たらしているのです。
このような経営者固有の仕事というのは、教えることはなかなか難しい側面もあり、とにかく後継者本人に考えさせて、決めて、責任を取らせるということを開始するしかありません。