
後継者を選ぶ場合の判断基準はどのように考えるべきでしょうか。
1つは業務における能力がわかりやすいです。業務における能力というのは、日々の仕事においての実際の仕事の遂行能力です。営業であれば営業がとてもうまいとか、職人であれば腕がとても良いということです。
経営者でなく一般の社員で、役割別にしっかりとなっている会社であれば、仕事ができる人というのは、まさに営業の役割の人であれば営業ができることであり、製造であれば製造ができる人になるわけです。
ただ、この役割別の仕事ができる人=経営者としてふさわしいのかというと少し違うかもしれません。
もちろん、この役割別の仕事ができる人も経営者としてふさわしい可能性はありますが、
経営者の役割を考えた際に、その役割に対してふさわしい能力とは何かを考えた方がいいかもしれません。
一流のプレーヤーが一流の監督ではないということは多くの人が知っていると思います。
役割が異なるとそれだけ得手不得手があるのです。
そもそも、後継者になるほぼ全ての人は経営をしたことがスタートです。そのためこれまで身に着けてきた、今の能力だけでできるわけではなく、(そもそも現役の経営者であっても完璧に全てのことが現在できているわけではありませんよね?)これからの成長を期待して発揮される能力が大切になります。
そのため、大前提として経営者として会社をよりよくしていくために、圧倒的な学習、試練、困難があり、それらが必要なことを理解して、そこに挑める覚悟があることが絶対条件です。実際の努力なくしては絶対に会社経営はできません。
また、会社は1人では経営できないため役割別の能力も大切ですが、それ以上に、人として素直、誠実、向上心などがあったり、周囲からの信頼をしっかりと勝ち取れることなどが欠かせません。
強烈なリーダーシップ、コミュニケーション力、プレゼン力、話すのがうまい、頭が良いなど一見するとあったほうが良さそうなことはたくさんあります。しかし、成功している経営者には様々なタイプの経営者がいます。いわゆる強烈なリーダーシップがなくても上手に経営している経営者はたくさんいますし、コミュニケーション、プレゼンが苦手でも上手に経営している経営者はたくさんいます。
そのためあったら良さそうな能力はたくさんあるものの、それはあったら良いレベルで、なくとも良いのです。また、そのあったら良さそうな能力を、今のタイミングで全て求めることはナンセンスで、将来の成長、ここからの成長に期待をすることが大切です。
そのことを考えると、もちろん最低限のコミュニケーション能力などは必要でしょうが、自分なりに良い経営者になりたいと思っていて、その目標に対してハングリーに自己成長を続けられる人なのかどうかというのはとても重要な視点だと思います。
目標に対しての努力というのは、努力をしている人かどうかは一目見ればわかり、口だけの人かどうか簡単に見極められます。