
現実的に事業承継を進めていくための一歩目としては、経営者の現在の仕事を減らしていくことになります。
経営者の仕事を減らすというのは、仕事というのは、そもそも経営者固有の仕事、一般的な仕事で経営者がやっている仕事に分かれます。一般的な仕事で経営者がやっている仕事としては、経理、資金繰り、営業、商品開発など多岐に渡ります。経営者固有の仕事というのは、これから会社をどうしていくのか考え、決めて、動いていくことです。事業承継にあたって、まずするべきことは一般的な仕事で経営者がやっている仕事を減らしていくことです。他の役員、社員などにどんどん任せていくことをしないといけません。
一般的な仕事で経営者がやっている仕事がなくなると、経営者固有の仕事だけが残ります。
長期的な戦略、基本方針、計画策定、重要な人の採用、昇進昇級などの人事面、資金調達、設備などへの投資など経営者固有の仕事が残ります。
事業承継においては、経営者固有の仕事を考えること、決めることに後継者を関与させることが欠かせません。重要なことだから経営者が決めてしまうということをしがちですが、その重要な決定において後にその前提を引き継いで経営をするのは後継者なわけです。
また重要なことであるからこそ考えさせる、決定させるという経営者の役割をしっかりと責任を理解させて、ある意味で練習を当事者としてさせていくことが欠かせないわけです。