
経営者の1番の仕事は、正解がない、会社の未来を左右する決めにくいことを考え抜いて、決めて、実行、責任を取ることです。これは経営者の固有の役割であり、仕事だと思います。正解がないことなので、見方によってはA、B、C、Dの選択肢どれもが正しく見えますし、間違っても見えます。日によって答えらしいものも変わって見えるわけです。
会社の調子が良いときは調子の良さから顕在化しにくいのですが、調子が悪いときには分かりやすく調子が悪いわけなので決定を迫られるわけです。
会社の調子が悪い時に後継者の覚悟がなく、あたふたしてしまうような状況がよくあります。はじめての大きなピンチだったりして、自分の決定ができなくなってしまうのです。
結果として、社員の意見を聞いているとAが良さそうと思ったり、ただ違う部署の社員の話を聞くとAはダメでBが良さそうと思ったりと迷走をします。最終的には自分で決められないので皆で決めようとか、多数決でという悪手に入ってしまうこともあります。
後継者として実務経験がないことや、実績がないことの劣等感から、それがないことで決定できないという間違えた考え方になってしまうとうまくいくことはなくなってしまうため注意がとても必要です。
実務経験、実績などがないと劣等感を持ちすぎてしまうと社員の声を聞くといえば聞こえは良いですが、社員の声を聞きすぎると決めることができなくなったり、経営という未来をよりよくしていくことが、今をよくすることになったりと決定的にズレてしまうことがあります。
そのため経営者は社員の声を聞きつつも、最後の最後は自分が決めるという覚悟、それも会社の未来にとってどうかという観点や、足元の会社の状態などの実際を見つつ決めて、責任を取っていくことだということは強く認識をしておかなければいけません。