img
事業承継は経営者の最後の大仕事

会社を持続的に成長、発展させていこうと死に物狂いで会社経営、仕事をしてきている経営者はたくさんいるのではないでしょうか。

自分の代で会社、事業は終わりということであれば、後は自分の想いの通りに体力、気力などが物理的に続くまで経営者が突っ走っていけばよいのですが、自分以降も、引き続き、会社、事業を成長させていきたいということであれば、事業承継という経営者にとって最後に大きな仕事が出てくることになります。


〇経営者が望むの真の事業承継とは

会社、事業を形式的に承継することは簡単です。ただ形式的に承継しただけでは、事業承継後にその会社、事業が成長することはほとんどなく、時間とともに縮小していくことになり、結果として終わってしまうということが十分あるわけです。経営者が望んでいる真の事業承継というのは、後継者がより会社、事業を成長させてくれることになります。もちろん経営者によって成長の期待の大小というのは違うわけです。

そもそも成長できないとなってしまうと、残念ながらどこかでは結局終わってしまうわけです。経営者、後継者ともにどこかで終わってしまうことを前提にして事業承継をすることはほとんどないわけです。事業承継をより会社、事業の成長機会にできるかがとても大切なのです。


〇事業承継の成否は早期準備と経営者のゆとりが大切

事業承継の成否は形式的なものであれば承継が完了したら終わりになりますが、真の目的は後継者がより会社、事業を成長させることにありました。そのように考えると事業承継の成否は早期からの準備と経営者としてのゆとりがとても大切だと思っています。

事業承継というと独立した特殊なテーマという感じがしますが、その中にある実際でいうと、いくつかの要素がある中で、会社経営の仕組み化が大きなウェイトとしてあります。

会社経営の仕組み化というのは事業承継とは関係なく、そもそも会社としてできていた方がいいことです。会社の仕組み化というのは様々な仕上がりがあるわけですが、例えば、新人が入社をしたとして初日に何を、なぜするのかということから、1カ月経たら、この新人は何を、どのくらいできるようになっているべきなのか、それはどのように会社として把握するのかなどを決めているということです。

会社のマーケティング、営業、プロダクト、PR、採用、顧客対応、、、、様々な業務が仕組にできるわけです。

仕組みというのは、言語化された基準ややり方に基づいて人が動いている状況であり、言語化されていることによって再現性が生まれるわけです。

仕組みが全くない会社と仕組みがある会社では、どちらが事業承継をしやすいでしょうか。
早期からの準備というのは、会社の仕組み化を実際にしていくことが事業承継でもあるため、仕組み化のために一定の時間がかかります。(時間がかかる理由には仕組みづくり以外にも株式移転などにおいて株価対策などの観点などももちろんあります。)

逆に、常に言語化、具体化、再現性を意識して、仕組みをつくってきて、徹底している仕組みベースで動いている会社は圧倒的に事業承継はしやすいわけです。

経営者としてのゆとりと書いたのも究極は仕組みの有無の話です。経営者がプレーヤーをがっつりやっている人なのか、プレーヤーはちょっとだけなのか、プレーヤーはやっていないなどによって=経営者でないとできない仕事の残り具合が変わります=仕組みの有無となります。経営者のゆとりというのは、お金、時間が安定していることが前提にあると思っています。ゆとりを生み出すためには結果として仕組みが必要という関係です。


〇事業承継の成功は経営者の自責が不可欠

事業承継は、ある意味で、経営者自ら築いた権力、地位を去って、後進に譲ることであって、実権を引き渡した後においても事業が存続発展するように、後継人材や組織を育てて、様々な環境を整える努力をすることです。

事業承継の失敗ポイントとして、経営者自身が結局はまだまだ現役でやりたいと思っているとうまく譲ることができるわけがなくうまくいきません。

事業承継がうまくいかないといっている経営者の多くは他責経営者です。

経営者が変われば解決できるであろう原因があるにもかかわらず、後継者が・・・ということをずっと言い続けていたりします。

経営者自身が事業承継を本当にやりたい、コミットする、自責でやるということがとにかく大切になります。

Tags: 事業承継
Share: