
息子は出来が悪いので後継者には難しい
社員には優秀な人や、やる気がある人はいないので難しい
ということをしばしば事業承継に対して困ったという経営者から聞きますが、この経営者の話を鵜吞みにすることはありませんし、できません。
というのも、多くの経営者が、自分の今の能力との比較で後継者候補である子供、社員を見ているということがあります。
経営者自身が時間をかけて、また、経営者になってから成長をしてきたということを忘れているわけです。これではフェアではありません。後継者のこれからの時間軸における成長を考えるべきですし、後継者の成長に対してできる全てのことをコミットしてやりきって今の発言をしているのかということです。
また、経営者が、「経営者はスーパーマンでないとダメ」だと無意識的に思ってしまっていることがあります。
経営者自身があらゆる業務に精通し、高いレベルで仕事をしている今があるとすると、それができる人=後継者だと思ってしまうと子供、社員ともに物足りなさを感じてしまうわけです。これは1人の人が何でも、高いレベルでできるということではなく、分業をしていき、スーパーマン経営者をつくりあげるではなく、3人でスーパーマン経営者のしていたことができるようにするという解決策で良かったわけです。
さらに、経営者が後継者を育てるということにコミットメントを持っていない、実際はやらないといけないことができていないということがあります。教えることと、できるようになることは違いました。教え方1つとっても改善の余地がとてもあるはずです。
経営者は自分の様々な経験から染みついてしまった、自分でもなかなか気が付かない当たり前の思い込みを、事業承継にあたっては、一度取らないと、フェアに、現在地の状況を理解したり、捉えたりできないと思います。間違えた認識の中で、正しく判断しても間違えてしまうわけです。
経営者自身、事業承継について初めてのことなわけですので、しっかりと学習をすることで思い込みだったということに気が付いていき建設的に考えることができるきっかけになると思います。