
経営者としては後継者は未熟だから、可愛い息子、娘のために苦労をさせたくないなど良かれと思って、後継者のために様々な障害、苦労の種を取り除こうと躍起になっていることがあります。何も考えずに事業承継を放置しているような経営者よりかはよっぽどよいですが、今、経営者が見えている障害、問題などを取り除いても、世界は生き物でいつも変わっているため、すぐに新しい課題、問題は結局出てきます。また、5,10年先なんて、今の時代では読むことができず、結局、どんなに経営者が準備をしたとしても未知の中で後継者が悪戦苦闘、PDCAを回していく中で活路を見出したり、課題、問題を解決していかないといけないのが実際です。
経営者に必要なことは、経営者でないとできない後継者の障害などを取り除くことと、後継者とともに共通の体験をできる限り多くすることです。
できるかぎり、後継者を様々なところ、機会に連れ出して、行動を共にして、在り方、考え方、実際にどうするかを問うたり、見せたりしながら、成功、失敗、喜び、苦しさなどを共有し、課題を一緒に悩み、考えて解決していくことを一緒にするべきです。
このような共通体験を最大化することで様々なことのすり合わせが進んでいくわけです。